オリジナル小説へ

13プレイ 一人勝ち
夕日がすっかり見えなくなり、そして日の名残で明るさがある空。 僕達はミューティングを終え、テーブルの用意を着々と終わりつつあるそんな時間。 開店間近、不意に扉が開いた。 「そろそろ、いいかな?」 そう言って入ってきたお客さんは・・・・昨日のプレイヤーだった。 また、後ろにスーツケースを持っている人が控えている。 「再戦か〜、昨日は時間が時間だったからな〜」 気付けば後ろに先輩がいた。 「先輩大丈夫なんですか?」 「大丈夫な分けないだろう・・・・逃げよう。後は頼んだ・・・」 「先輩!!」 先輩はそう言って走り去っていった。 「カツミ君だね?」 「はい。」 急に言われて思わず叫ぶような返事を言ってしまった。 「君の他にも強い人がいるんだね。この店は・・・。」 にっこりと微笑んでいるが、目は笑っていない。 「レートは扱っているらしいよ。」 ・・・・・・この人の目は僕に向いている・・・・。先輩じゃなく・・・・。 「時間かな?君のテーブルはどこかな?」 時計を見てそういうと辺りを見回した。 「あの〜」 「なんだね?」 「僕なんかより、先輩の方が強いですよ」 あんな金額で賭けられたら僕がこの店を潰しちゃうよ〜。 「先輩?」 「昨日、お客様の相手をした方です。」 「ほお、で?」 「僕は、この店の中でも下っ端ですよ?」 「で?」 「・・・・」 僕は何を言っていいのか凄く悩んでしまった。 「この店のオーナーは誰だね?」 「え、それなら・・・ご案内します。」 僕は、唐突に言われたことに吃驚しながらも奥にいるオーナーのところに行く。 扉の前に立ち軽くノックをする。 「失礼します。」 何回入ったか分からないけど・・・・それはオーナーがいなくて掃除で入るだけ・・・ ふかふかの椅子に座って外を眺めていたらしく改めてオーナーが椅子ごと振り向く。 「何か用かね?」 「はい。お客様がオーナーにお話があるとかで・・・」 たどたどしく答えてしまう。 オーナーがそのお客さんを見ると少し眉をひそめると 「君はもういいよ。仕事場に戻りたまえ」 「はい。失礼します。」 扉の前で一度礼をして外に出る。 心臓がバクバクして止まらない。 僕は大きく深呼吸をしてからテーブルに戻ろうとそのテーブルを見ると・・・・ あれ? 「先輩?」 プレイヤーはいないけど先輩が僕のテーブルにいた。 「やっと来たか〜」 「何をやっているんですか?」 「見て分からないか?接客だ」 「・・・・・煙草吸いながら?」 先輩が煙草を取り出したのでそう言って見るとぎくりとして煙草を直すことなく 「今日はモニター室当番なんだよ」 と照れ笑いにも似た感じで去って行った。 ・・・・・・何がしたかったのかな? 僕はその後、テーブルに着くとすぐにお客さんが現れて接客に終われ始めます。 僕の波乱はここから始まるとは知らずに・・・。 「ねぇ?これどうやるの?」 「これはだな〜」 自慢げに話すカップルの男は、女に凄い俺は知ってるんだぞ!状況で語っている。 その隣で老人が同じように聞いているみたいだ。 そして、初めてなのだろうか?ちょっとだけドキドキ感でこっちにまで伝わってくるようなそんな人までいる。 今日はこのまま平和に終わって欲しいものだな〜ってのんきに思っていました。 すると大きな鞄を持った人が席に着きました。 今日が帰りの人なのかな?って適当にそんなことを思っていました。 カードを配って行くと大分覚えたのかカップルの人は女の人にも配ってくれと頼まれて配り、 そして老人へそして鞄の大きい男の人。 ちょっとどうしようと悩み中の男性には問いかけると悩みが深そうなので 一回休憩を薦めるとそんなのがあるんですか!って顔を明るくしてそれを承諾した。 まあ、パスまでは習ってなかったんでしょうね。 ちょっと和みつつカードを配って行く。 僕が、ドボンだったので、老人の他意外はチップを支払った。 「面白いね〜」 カップルの女の子は満足したらしい。 男もきっと鼻高々だろう。 老人の方はちょっと分からないところがあるのだろうか? 男がチップの出し方はこの平和な空気を変えるものだった。 「おい、兄ちゃん正気かよ!」 カップルの男は吃驚してそう聞いた。 男はそれには答えずただカードだけを見る。 僕はもう一人の男に聞くと男は何かを吹っ切るような感じに男も賭けた。 「おいおい」 カップルの男もこれには吃驚した。 「大丈夫なの?」 「大丈夫だって、あいつ等だけは大丈夫かしらねぇけどな・・・」 僕もそう思う。 多分鞄の中は、お金だろう。 僕で何とか出来るかな? イカサマだったら、先輩が・・・・・来るだろうか? 先輩ってちゃんと監視カメラを見ているのか謎なんですけど・・・。 カードを配り始めた。 カップルの男から17、15、22、20、16。 老人意外は、残った。 最後の男は、あと一枚貰うべきか悩んでいた。 かなり、賭けていたせいで、汗が額から頬へと流れ落ちるくらいだった。 相当、焦っていた。 この最後の一枚を取ると勝てるか?それとも取らないで勝てるか? この瞬間だけは、いつも慣れると言うことがない。 周りの人もそうだが、この状態になっている人はこの決断で・・・・ 「い、いりません。」 決断をしたようです。 僕にもこの決断が無いことを祈りたいです。って仕事だけど・・・ 僕のカードを捲ると・・・・・12・・・・後一枚と・・・。 捲ると9。あの人取らなくて正解だな〜。・・・・・21だ。 僕は勝利を収めた!!あの人には悪いけど・・・。 どうやら、あれで全財産だったらしい二人は立ち上がり一人は泣きながらもう一人は・・・・ 他の場所を物色しているようだった。 残ったのは、カップルと老人だけ。 このまま平和で終わることを祈りたい。 「ああ言うことになるから・・・・遊びだけな。」 「もう、かっこ、い、い」 ・・・・・・・・カップルのいちゃつきは耐えれるだろうか? ネオンの光は、まだまだこれからなので楽しんで行って欲しいものです。 でも、体には気をつけてください。 <<BACK