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エピローグ
「運命とは、自分自身で変える事が出来る。」 俺は、夕美がこの説教は為になるからってことでここにいるのだが・・・。 ・・・・・・・・・・・来ない。 説教が始まるまでには来ると言っていたのだが・・・。 「思考の元、行動を起こし、そして習慣が変われば運命が変わる。」 ところどころで聞こえる説教はただの戯言だ。 暇だったので上を見た。 この神殿?なのかは、良くは分からないが・・・・大きな鍾乳洞を利用したようだ。 ところどころで、水の落ちる音が聞こえたりたまに落ちてくる。 ゾク ・・・・・寒気・・・・悪寒? なんだか、不思議な気分だ・・・。 嫌な予感が胸いっぱいに広がった。 「運命は、決まっていない。自分で決めるものだ」 ざわざわと人が動き募金をしては、帰って行く。 説教が終わったのだ。 ブィーンブィーン バイブにしていた携帯が鳴って手に取ってみた。 ・・・・メールだ。   運命を変えるための指令メール タイトルはそうなっていた。 不思議に思いつつ本文を読もうとしたとき ♪〜♪ ・・・・電話!! 俺は慌てて電話に出た。 「克己くん、夕美が・・・・」 「え?」 それは、夕美が交通事故にあって重症になっているらしい。 俺は、夕美の居る病院へと急いだ。 「克己くん・・・・!!」 病室がどこなのかナースステーションで聞こうとしていたところだった。 「亜矢さん・・・。」 夕美の妹の亜矢さんがわざわざ病室を抜けて俺を迎えに来てくれていた。 亜矢さんの目は、真っ赤になっていた。 無言のまま夕美の病室へと向かった。 扉を開けると夕美の周りには夕美の両親が揃って立っていた。 夕美の頭には包帯が巻きつけられていた。 俺は、その姿を見て思わずよろけて壁にぶつかりそのままの状態でしゃがんだ。 手には、そのままで握り締めていた携帯がゴトっと落とした。 落とした携帯を取るとさっき読もうとしたメールが見えた。   運命を変えるための指令メール  このメールは、運命を変えるためのメールです。  この指令の通りにすれば、必ず運命を変える事が出来ます。  最初の指令は、http://roukakusaiga.sirei.gif 書かれたメールのアドレスにアクセスすると・・・・ さっきまでいた。神殿の写真が写っていた。 自分が何を思ったのか夕美の家族の言葉も聴かずに 俺は神殿の方へと出掛けていた。 神殿は、さっきまでと全然変わっていなかった。 ここがなんだと言うんだ? 辺りを見回しながらメールと同じ場所であろう場所へと向かっていた。 「石山克己くんだね?」 後ろの方から自分の名前が呼ばれのけぞるように声の主の方へと振り向いた。 そこに居たのは、さっきここで説教をしていた。坊主だ。 「このメール!!あなたの悪戯ですか!!」 俺は、携帯を坊主に見せながら言うと、坊主は、数珠を鳴らし始めた。 「汝は、運命を変えるものか?汝はどんな未来を求める?」 意味不明なことを言う坊主に困惑していたとき、 夕美から貰った首飾りが光り始めた。 「そ、それは、時空石か!?」 「時空石?」 この首飾りは、夕美が落ちていた石があまりにも綺麗だったから 首飾りにしてくれたものだ。 夕美は、何をしても器用な娘だった。 「時空石で、過去に戻り運命を変えることも出来るであろう。」 「過去に戻る!!と、言うことは、夕美を助けることが出来るのですね?」 「時空石で過去には戻れるが自分の行きたい時刻に行くことが出来るとは限らない。 こればかりは、他の時空石を集める他無い。」 「他の時空石はどこに?」 ビカ!!!!!!ゴロゴロ〜〜〜〜〜 雲行きが怪しくなる音が聞こえる。 ちょうど俺が立っているところは、空を見ることが出来る。 黒い雲が黙々と立ち込め始めていた。 「時空石は、時空石を呼ぶ。時期に集まるであろう。 時空を超えるとき越えたい場所をイメージするのだ! そして、時空を超えるときには、おそらく月の無い今日のような日だ。」 淡々と語られる坊主の言葉が途切れ途切れに聞こえるが自分で理解できたのかは分からない。 パシュ〜〜〜〜〜ン 激しい音が響いたと思ったら物凄い勢いの風が渦を捲くように吹き荒れる。 「思考が行動を起こし習慣を変え運命をも変える。」 坊主の最後の言葉が聞こえたとき俺は、渦の中に吸い込まれた。