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2プレイ 危険な香り
ネオン輝く場所・・・ここは、その中の一角にあるカジノ場だ。 そこで、僕はディーラーの仕事をしている。 まだ駆け出しに近く、まだそこそこにしか仕事が出来ていない。 「きゃははは」 高く耳障りな声が聞こえる。 振り返るとそこで、先輩がナンパをしている最中だった。 先輩は、大の女好きだと思う。 まあ、男好きよりはマシだろうと自分に言い聞かせる節が自分にはあった。 「はぁ〜」と大きくため息をついたときだった。 「ちょっと!!」 女の声が僕の耳に届きそして、耳に息を吹きかけられた!! 背筋からゾクゾクと血の気が引くのが感じ取れた。 その様子を見て楽しんでいるのだろう。クスクスと笑っている。 ちょっと、ムッとしながらもカードを配る。 女は、タバコを口にくわえ火をつけた。 い、色っぽい!! 思わず自分が女に見とれている状態になった。 「HIT(カードをもう一枚)」 タバコの煙が口から出されると同時にそう呟く様に言った言葉で 僕は我に返った。 彼女の手札は・・・A、A・・・ スプリット(カードを2つに分け、掛け金を同じだけ払ってゲームを続行)をするんだろうな。 案の定、女は、スプリットした。 カードを二つに分け、またカードを配る。 女は、タバコを消す。 ・・・なんだろう? 不思議な気持ちになっている自分がいた。 何気ない行動が、なんとなく見とれてしまう。 「STAND(カード不要)」 僕は、女に見とれていた目をカードに目をやると・・ A(エース)と絵札(J)、Aと10だった。 二つともブラックジャック(21)だ。 こんなこと偶然で起こるはずも無いだろう。 ちらりと先輩を見た。 あれ? さっきまでいた場所に先輩はいなかった。 ポンと肩に手が乗る感触がした。 振り仰ぐと先輩の顔が間近くにあった。 ポンポンと即されて、僕は、テーブルから離れた。 先輩が率先してくるときは、イカサマをしているプレイヤーである証拠だ。 僕は、先輩にその場を任せて、そそくさと「スタッフルーム」に行く。 ここでは、監視カメラが設置されている。 モニターを通して、先輩を探した。 カチッ ちょうど、先輩がタバコに火をつけるところであった。 か、かっこいい!!! ちょうどカメラの位置がよかったのか?先輩が行為でやったのか?はわからないが、 そのアングルは、誰もがかっこいいと思うナイスな位置だと思う。 先輩は、咥えタバコで、カードを切り、配る。 あー言うことはしてはいけないんじゃ・・・ そう思いつつ、モニターを見ている僕の目は、爛々としている事は、 誰も知らないと思う。僕以外には・・ タバコの灰が垂れていった頃には、ゲームは終了し先輩は、女を帰した。 女は、逃げるようにして、その場を去って行ってるように見えた。 僕は、わけがわからなくて先輩の方に駆けて行った。 「先輩!!」 「おお、どうしたそんなに血相変えて」 先輩は、灰皿にタバコを擦り付けている最中だった。 「あの・ひと・・・」 息が切れ切れで、やっとの思いでそう言うと、 「ああ、上には上がいることがわかったら、自分を恥じたんじゃないか?」 あ〜〜〜〜やっぱり、先輩は、かっこいいっす!! そういい残して、先輩は、女の子たちの方に足を向けていた。 ・・・これさえなければもっといいのに・・・ そう心に刻みながら、僕はテーブルについた。 人生は、金なのか? ただの遊びに来るところではないのかな? 皆さんは、遊びとしてお越しくださいませ。 <<BACK  NEXT>>