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6プレイ 巻き込まれる
ネオンの輝きで夜が更けるどころかドンドン明るさを増す頃。
その一角のカジノで僕は、ディーラーをしている。
けど、今日は久々の休み。
僕は、普段よりも少し寝坊する感じで休みを充実しようと思っていた。
ポストには封書が入っていてしかも宛名が僕の名だけだった。
住所が無い・・・。
僕は何気なく裏を見ると聞いたことあるようなカジノ名が記載されていた。
不思議に思って先輩に聞いたら分かるかと思ってわざわざ仕事場へと向かった。
カジノはいつも通りの繁盛というかそこそこの人で賑わっていた。
そして、いつも僕が付いているテーブルに先輩が居た。
「せんぱーい」
僕は駆け出して先輩にあの封書を見せた。
「うん?こ、これは・・・」
先輩の顔がみるみる険しさを増して行った。
「お前これは・・・・まさか・・・・勝ったのか?」
?よく分からなかった。
僕が首をかしげているとお客さんが来たので先輩は接客に切り替えた。
僕は何気に席についていたので、カードが配られた。
いつもディーラーだからなんだかプレイヤーって言うのも不思議な気分だった。
勝っては負け負けは勝ってを繰り返していた。
先輩がイカサマするのはイカサマ師相手だけなんだろうな〜とか思いながら・・・
「な〜ディーラーさん」
不意にちょうど僕が端に居る方と逆の端にあたる部分のお客さんが
僕をちらちら見ながらも何かを提案していた。
「点方式にしないか?」
点?なんだろう?不思議に思って僕は先輩の方を向くと
先輩は静かに答えた。
「下一桁で争うゲームだ。」
あ!これってあの時ウィザートって人のあの提案だ〜。
「どうやら、こちらの方も知っていらっしゃるようなのでやりましょうか」
先輩は、坦々と答えるがはっきり言ってこれって僕自身も悩むところだ。
先輩は多分全力で奴のとは違うのをするだろうし・・・
僕は、そのプレイヤーと違う賭けにした。
奴が、高いに賭けるなら低いに・・・
先輩はことごとく僕の賭けた方にしてくれる。
す、凄いです。先輩。
奴が同じに賭けた。
先輩は3
奴は8
僕は5
・・・・これが最後なんだろうけど・・・。
先輩より低くなる可能性は結構低いし・・・でも・・・・
僕は、一か八か先輩の凄さに賭けてみることした。
「同じに・・・」
僕の残りのカードは、10なので5だけど・・・
奴が・・・・なんだろう?
先輩は、目を瞑りカードを取り弧を描きながら上に持って行き
下に下ろした。
2だ・・・。
す、凄い先輩☆
後は、奴がどうくるか・・・どうか七は出ませんように・・・。
奴は横から瞬時にカードを捲った。
その数は・・・・7!!
は、はは、僕はカードを捲った。
終わると思った戦いはまだ終わらないようだ・・・。
今度の戦いは、僕のカードの通りの状態で無くなっていた。
先輩も必死なのだろうか?
それとも・・・・苛め?
それにしても、かなりピンチに強い人だな〜あの人。
すると、また山場なのか同じに賭けてきた。
う〜ん、僕も賭けないとお金のピンチが〜〜〜
先輩は10
奴は3
僕は8
・・・・み、見込み無いかな〜〜〜。
でも、先輩にはかなりの範囲の可能性あるからな〜。
僕は、先輩のカードが気になって自分のを見るのを忘れていた。
先輩のカードは、3
・・・え〜て〜と僕には、5がいるんですよね〜〜。
僕は、恐る恐るカードを捲った。
あ、10・・・・。
奴のカードは・・・
うん?なんかカード見てなんだかあせってるように見える?
「どう成されたんです?見せて貰えませんか?それとも降りますか?」
先輩は、なんだか坦々と言ってるけどなんだか笑ってる感じがする。
奴は、舌打ちしてその場を去って行った。
「どう、俺の腕」
「は?先輩・・・何かしたんですか?」
「そ、お前のとさっきの人のカードを変えたのさ」
えええ!!!!な、何言ってんだよ!!そ、そんなことできるわけ〜〜〜
いや、先輩だから出来るのかな???
「そうそう、お前もディーラーカップに参加させられたらしいな」
「ディーラーカップ?」
「そう、ギャンブラー大会も含めその大会の相手になるのがディーラーなわけ
そして、ギャンブラーがたくさん来る中でこのコインをいかにして守り通すかで
ディーラーの格が決まるわけよ」
は!そ、そんなたいそうなものに応募した記憶は〜〜
「ほい、お前のコイン」
そう言って先輩は、僕の持ってきた封書からコインを取り出して渡した。
「お前が負けを認めるとそのコインをギャンブラーにやるんだ。
イカサマ師でもないお前にはキツイだろうけど・・・
まあ、頑張れ」
心のこもっていない応援だな〜と思いながら・・・・
いつの間にか勝手に大会に出ることになっていたようである。
ネオンが夜を夜と思わせないほどの明るさだが僕の心は
その明るさが届かないくらい目先真っ暗であった。
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