オリジナル小説へ
エピローグ
ハアハアハア
顔から油汗が噴出す。
「どうした?撃てるものなら撃ってみな!」
俺の手の中にある拳銃は俺の手の汗で今にも滑り落ちそうになる。
「く、来るな!それ以上来ると撃つぞ!」
声が上ずっているのが自分でも良く分かる。
男が一歩近付くに連れて自分も後ろに一歩下がりを繰り返していた。
しかし、俺の背が壁にぶつかり俺は再度確認するように言った。
「来るな!本当に撃つからな!」
「ふん、撃てるわけ・・・・・・」
バン!
部屋中に銃声の音が響く。
「うぁああああああああああああああああああ!!!」
ハアハア、
チュンチュンと鳴く鳥の声が聞こえる。
どうやら夢だったようだ。
「やな、夢だな〜」
まるで現実に起きたみたいな・・・・。
カチャ
「おはよ〜!!」
俺は、あの後いそいそと着替えを済ませて馴染みの店に来ていた。
真っ先に声を掛けて来た美穂に挨拶を交わし、いつもの席に着く。
「コーヒーを・・・・・あ!おい!美穂!!お前が入れるな!!」
「なんでよ〜〜〜」
「お前が入れたコーヒーは、ドロドロでコーヒーと言えねぇんだよ!!」
「もう、失礼しちゃう!!」
俺の言葉に傷ついたとでも言わんばかりに頬を膨らませている。
「美穂も美穂だけで勝也も勝也よ」
美穂の母でもあるおばさんがコーヒーを出してくれながら口々にそう言う。
「いや〜、やっぱりおばさんの入れたコーヒーが最高だね!」
「まあ、お世辞なんて言っちゃって〜」
おばさんはまんざらでもないと言った風に皺のある顔に皺を余計に刻みつつ。
「で、今日の飯は?」
「朝飯は無いわよ〜〜〜〜」
「いや、俺が催促してるのは昼飯」
「昼頃に起きてよく言えたもんね〜ハイ。」
ブツブツ文句を言いつつもちゃんと出してくれる美穂から皿を受け取り口に運んだ。
「うん、またもぐもぐ・・・・腕上げたな〜」
「しゃべるか食べるかどっちかにしなさいよ〜」
美穂はコーヒーを入れるのは下手だが飯にかけては3つ星が貰えるんじゃないかと思うくらいに旨い物を作る。
「やっぱり、旨いもん食うともう一眠りしたくなるね〜」
「はあ?また寝る気?かっちゃん・・・・」
「おう!悪いか?」
「あんたは一体いつ仕事してんのよ〜〜!!」
「今は休みなの♪」
その瞬間携帯がなった。
「お、ちょっと失敬。はい。あ〜はい。え?マジっすか?へ〜へい。わかりました〜。
悪いな。ちょっと仕事が入ったからちょっくら行って来るわ〜」
「ちょっと!!今度いつ帰ってくる気よ!!」
俺は美穂の言ったことを聞き流しながら警察署へ向かった。
NEXT>>