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第六の殺人 同類
くちゃくちゃ・・・・ 口いっぱいに広がる砂鉄の味は、やみつきになるくらいだった。 僕が肉に興味を持ったのは、そんなに大きくなってからではなかった。 ちょっとした弾みでゴキブリを食べたことがあった。 母は、叱っていたが僕は、ゴキブリがおいしいことをこのとき知った。 母が知らないところでゴキブリを見つけては食べていた。 あるとき、猫が死んでいたときがあった。 友達は、「気色ワリィ〜」とか言っていたが、僕は友達と別れた後、また死体の場所へ行き興味本位で舐めた。 気付けば、貪っていた。僕は、川に入って母に心配させないように心がけた。 それからもひっそりと猫や犬といった動物を食べていたが・・・ ・・・・・・人間も食べてみたい。 母が、僕が普通と何かが違うことに勘付いていたらしく成績のこともあり怒鳴られていた。 そして、説教が半ば終わりかけて母が僕に背を向けたとき隠し持っていたカッターで背中越しに腹を刺した。 「ひぃあ・・・」 母は、信じられないといった顔で崩れ落ちる。 それは、スローモーションのように・・・ 母には、まだ呼吸が有り死んではいなかった・・・・ ガブ・・・・興味を実行する。 ・・・・・・・おいしい。・・・・・ 今まで食べた中で一番おいしく感じた。 無我夢中で貪り夕方になったことにも気付かなかった。 カチャ 「ただいま〜」 玄関をくぐり父が帰ってきた。 パッと顔を上げると父と目が合った。 「おかえり、パパ」 父の目には、半分以上も無くなった母の姿と僕の血だらけの顔やらが見えたに違いない。 父は、慌てて外に出ようとした。 「パパ?どこ行くの?」 僕は、父の後を追った。 段差で思わずこけてしまい、父の腹にカッターが直撃した。 「うわぁぁぁぁぁぁ」 父の叫び声が辺りに響いた。 僕は、その後精神病院に入院させられた。 は!!気がつけば、病院だった。 なんとも生々しい夢だった。 オレの中に何かが蠢いた気がしていた。 電柱に背中を打ち付けて空を見上げると辺りは、暗闇だった。 こんな所で寝ていたのか? そんなことを思っていたときターゲットが現れた。 何もかもが黒ずくめで統一されたターゲットは、足音を立てずに静かに歩いていた。 オレは、そいつの後を気付かれないように近付いていく。 角を曲がられたので少し急いで角に向かう。 「うぅぅ・・・・・バタ。」 ?誰かのうめき声に、倒れる音・・・? パッと見ると、ターゲットである男は、サラリーマンらしき人物を刺していた。 そそくさと帰る方がオレの方だったせいもあり、オレに気付き刃物を振り上げていた。 オレは、反射的に避けた。 そして、とっさに包丁を振りかざして応戦し、奴の首を切った。 ぶしゅ〜と音が立つほどに噴き上がり男は、しばらくは立っていたがその後倒れた。 はぁはぁ・・・・・ 自分の沸き立つ血が激流しそうな勢いだった。 くちゃくちゃ、 血肉を引き千切り滴る血を勿体無いように啜り・・・・・・ 気付けば、砂鉄の味が口いっぱいに広がり吐き気を感じた。 な、オレは、何を・・・・ 人の気配を感じてオレは、走り去っていた。 <<BACK NEXT>>