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第七の殺人 求めるもの。
私は、何てこと無いいっぱしのサラリーマンだ。
上司にヘコヘコと頭を下げては、機嫌を取ると言った毎日だ。
お付き合いって奴をしてる間に、帰りは日に日に遅くなっていった。
ある日、いつも通りに深夜近くで帰ってきた。
「貴方、そろそろ早く帰ってもらわないと困ります!」
妻は、そういうことを毎日言っていたが今回は、これに続きがあった。
「もう、貴方には、ついていけません。私は、娘と実家に帰らせてもらいます。」
そういって部屋へと帰って行った。
・・・・・まさか、ただの戯言だと思っていた。
しかし、その次の日に深夜近くで帰ってみれば
・・・・・・・・・いなかった。
妻の実家には、電話しにくかったし、携帯も置いていかれていた。
・・・なぜ?何故なんだ!!!私は・・・・
自分の中に何かが沸いては引いていくのを感じた。
その後も上司のご機嫌を取らねばならなかった。
気が進まなかった、だから思い切って断った。
「なんだ?来れないと言うのか?何のために今の地位があると思っている。」
口をつく物は、自分でも避けて通りたかった言葉ばかりだった。
「お前は、ご機嫌取りがいいところだ。」
頭に血が上ったと思ったら刺していた。
たまたま持っていたカッターで・・・
そいつは、私を見上げるようにして崩れていった。
・・・自分の中で優越感が溢れる。
私は、その後も人を殺す。
優越感を感じるために・・・・が、まさか人を殺すところを見られた上に、そいつは異常だった。
不意をつかれる様に反撃を受けた。
息が首から出て行くのを感じる。その後そいつは、私を・・・私を・・・・・食べた。
・・・・・・オレは・・・・オレは・・・・・・喰ったのか?
なんで・・・人を殺した後にあのような行動を起こしたのは初めてだ。
人を食いたいなどと思ったことは無いはずなのに・・・
はたと目の前には、見た事のある姿形があった。
・・・美弥!!
オレは、一目散に美弥の下に駆け寄った。
「美弥!生き返ったのか!!良かった。」
そう声をかけた後に、腹が熱く感じる。
「?あ、ぅ・・・・」
腹を押さえるとドクドクと波打つ血が溢れかえっていた。
「み、美弥・・・」
力の限り愛しい名を呼んだ。
膝に力を感じずに崩れ落ちる。
・・・・ああ、美弥に殺されたのか?オレは、これを求めていたのか?
薄れ行く意識の中、美弥との思い出が思い浮かんでは消えていった――――――。
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