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10プレイ 監視カメラ
ネオンの輝くその一角。
一時、大変な大会に巻き込まれていつの間にかその大会は終わっていたみたいです。
「よ!カツミ!」
咄嗟に自分の名前を呼ばれて振り返る。
「あ、お疲れ様です。」
煙草を咥えて煙草を一本くれる。
「え、あの・・・・僕吸わないんですけど・・・」
何回言ったか分からない台詞を言ってみる。
「大丈夫、いつか吸うから・・・・その為に取っておけ!」
笑いながらそう言う。
一体何本貯めて置けばいいのだろう?って思うくらい本数が貯まって行く。
と言うのもこの先輩は何故か会う度に煙草を一本くれるからだ。
いつか、この先輩の煙草を集めるのが趣味になるくらい貯まるのだろうな〜。
「先輩は今は、休憩ですか?」
「カツミ・・・・・お前俺の名前覚えてるか?」
「え?・・・・・・・え〜と〜」
あれ?度忘れしたぞ〜名前が出てこない。
僕は一生懸命考える中、先輩が時計を見て焦って席を立つ。
「おっと休憩終わる前にしないといけないことがあるんだった。
じゃあ、それ宿題な〜」
「え、あ!ちょ・・・・先輩!!」
う〜ん。と唸りながら僕はモニターを見る。
今日は、モニター担当の日です。
モニターは、他の店だと多分警備員の方が見ていると思います。
しかも複数の人がディーラーのバックアップに近いこともしてるらしいのですが・・・・・
ここでは、モニター監視は一人・・・・しかもディーラーがやっています。
人が足らないときは、オーナーが見てたりするらしいです。
は!タツミ先輩だ!
唐突にたばこの先輩ことタツミ先輩の名前を思い出した。
やっと胸のもやもやが晴れてモニターを見ると、
画面に映った男は辺りをちらちらと見たり、
なんだかそわそわしている感じに見える。
なんとなく、不思議に思って男の姿を監視カメラを動かして横から見ることにした。
男を見ると男の袖にカードを隠したり、上着からカードを出したりを繰り返していた。
うわ!イカサマだ!
見つけたらどうすれば良かったんだっけ?
確か何かのボタンを押すんだったけど・・・???
カメラの操作は遊び半分でやったことあるけど、その後は見つけたことなどなかったので
どうしたらいいのかせかせかしていた。
モニターには、先輩が映っていた。
こうなったらさりげなく言いに行くことにした。
モニター室から出て、階段を降り、そしてカジノへと通じる扉を開け・・・・
・・・・・る前に扉が開いた。
「あ・・・・タツミ先輩・・・」
タツミ先輩は、まだ、咥え煙草・・・・って言っても火は点いてないけど・・・
をしながら入ってくるところだった。
「お、カツミ〜。思い出したか?」
楽しそうに笑う。
「うんで、どうしたんだ?血相変えて・・・」
僕はその言葉に顔を手で探りながらもタツミ先輩に相談しようと思い立った。
「モニターを見てたら、イカ・・・・・」
僕は思わず周りを見た。
辺りには、お客さんが移動中だったりしたので、
タツミ先輩をモニター室に通じる通路に入り込んだ。
「イカサマを見つけたんですけど・・・どうしたらいいですか?」
「ああん?ほ〜」
意味ありげな台詞を言う。
そうして、指でちょいちょいと動かしてそれに即されるようにモニター室へとやって着た。
「どいつがそうだ?」
僕は、慌ててさっき見たイカサマの男が映った画面を指差した。
「なんだ〜ジンが受け持ってるジャン。」
「は〜それで〜とにかく・・・・」
「まあ、あいつのことだから分かってると思うけど一応教えてやるか〜」
悩んでいたボタンの一つをタツミ先輩は押してそして煙草に火を点けた。
「そういや、カツミ・・・・。」
「はい。」
「お前、ディーラー大会に参加になったんだってな〜」
「え?・・・・知ってるんですか?」
「ああ」
そう言って、なにやらごそごそとタツミ先輩がし出したかと思うとどこからか薄い本を取り出し。
「ほら〜」
それを放り投げるように僕にくれた。
僕はその薄い本を何気に広げていくと・・・・・。
僕が居た!隠し撮りだろうけど・・・かなり写りはいい。
「え?あ、これ・・・・」
「そ、例の大会の優勝者?って言うか生き残り〜♪」
「い、生き残りって・・・」
「俺も一回参加したことあるから知ってるんだよ。」
「ええ!!タツミ先輩も!!」
「そう♪参加するのはランダムらしく。
ある一定期間に大会関係者の目に止まった人だけが参加するらしい。」
「ええ!!」
僕は頭の中で、僕が大会関係者にどのように見えたのか吟味してみた・・・・
が、そんなものは分からないほどのお客さんを見ていたので
どのお客さんも怪しく見えてくる。
「まあ、最初は基本的に情報がギャンブラーに無いから基本的には残れるんだよ。
これからだよ。これから・・・。」
「こ、これからって・・・」
「次の大会は顔が知られているから、あの時のジン以上に人が来るよ。
楽しみだね〜」
「楽しくないです。」
「おっと、もうこんな時間か〜じゃあ、頑張れよ〜」
そう言って、またもたばこを一本置いて去っていくタツミ先輩・・・。
いらないんですけど・・・・・。
モニターを見ると先輩が画面に向かってなのか
背中を向けたまま親指を立てて合図をしているようだった。
さすが先輩だな〜って思いながら僕は、監視モニターを改めて元に戻した。
華やかなカジノの裏で僕はぼーと一日を過ごしているのです。
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