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第十四捜査 捕まる。
高層ビルの前に立って一人寂しげに見上げて見た。
・・・・どうにか捕まらないように考えて見た。
いやそれよりも攻撃を受けるのは嫌だな〜。どうしよう。
そんなことを考えながらエレベーターの方へと歩んだ。
案の定キーロックの扉が・・・
何階だったかな?
すると多分住人が鍵を開けて扉が開いた。
俺はついでに入ることにした。
そして確か一番上だろうって思ってエレベーターのボタンを押した。
すると住人が尊敬の眼差しで俺を見た。
俺が最上階の住人だとでも思ったのだろうか?それとも・・
チンと鳴りエレベーターの扉が開いた。
開けてくれた住人が尊敬の眼差しで相変わらず見ながら降りた。
エレベーターはなお上へと上がる。
チン
エレベーターの扉が開くと同時にカチャカチャと銃の音を鳴らし俺に銃口が向けられた。
俺は手を上げて命乞いをした。
「驚いたな〜生きていたのか?」
岸が扉から現れて人垣が道を作って行く。
「え?いつ俺が死んだんですか?
やだな〜勝手に殺さないで下さいよ。」
「で、ここには何しに来た?」
「へ〜判子を届けに・・・」
「判子?フ、貴様は失敗したんだよ。」
「失敗?」
「そうだ、レプリカとのすり替えが失敗しているんだよ」
「そ、そんなはずは!」
俺は今知ったかのように判子を取り出した。
そして中身を見て愕然とした。
「え?あ?なんで・・・・」
「残念だが失敗したな。貴様の命は・・・」
「ま、待ってくれ!失敗したからと言っても峰志さんには気付かれていないはず」
「さ〜どうかな?」
岸が近付いて来る。
に、逃げよう・・・・で、でもこの銃口から逃げるすべはあるのか?
チン
エレベーターの軽快な音がなり響いた。
エレベーターからは大量の警官達が重装備で出て来た。
「手を上げろ!君達は我々の監視下に入った。」
部屋の方へ逃げようとする岸達だったか部屋には既に警官達が入って着ていた。
なすすべも無く俺達は捕まった。
取調室に通される。
「高波さん、お願いします。」
「分かった。有難う」
高波はそう言って俺を引き取り婦警にコーヒーを貰ってお礼を言う。
椅子に座らされ、向かい側に高波が座る。
「で、こんなことになった訳は?」
「う〜ん、策略?ってかどうやって警察が完全武装で来るわけ?」
「あ〜なんでもテロがあのビルを占拠していたって話だ。」
「テロ・・・・」
なんて通報の仕方なんだ・・・まっちゃん。
「で、その一味にお前が入っているんだ?」
「それはデマっしょ?」
「知るか〜わしが電話を受けたわけではないし・・・」
「普通考えたらわかるっしょ?」
「多分お前の言う通りデマだろうな。
で、あいつ等は何やってる奴らだ?」
「あ〜薬のブローカーかな?
多分新薬があるんじゃないかな?
無くてもルートくらいは分かると思うよ。」
「なるほど・・・。ところでそれを切っても大丈夫か?」
「あ、大丈夫!多分今は中枢くらいに引っかかってるから」
「そうか・・・それならいいが・・・
そうだ、美穂君のことだが・・・」
「美穂がどうかしたの?」
「まあこれを読んでみろ」
そう言って高波は俺に俺の携帯を見せた。
どういうメールの経路でここまで来たのか分からないがタイトルは『ヤダ〜』である。
『そうだ!勝也もうすぐ誕生日だよね?今度の土曜日帰って来てね!
一緒に映画とか〜買い物でもいいから行こうね!』
となっている。
「これ・・・・・」
「それを聞こうと思って電話したらいつも電源が切れているか〜とか言われたぞ」
「え?マジ?」
俺の今持っている携帯を見ると電源が落ちていた。
「じゅ、充電器持ってない?」
「ほら」
そう言って携帯用のをくれた。
「可笑しいな〜充電したはずなんだけどな〜」
携帯を充電しながら自分の携帯を見つめる。
「で、返事に困っているのだが・・・どうするんじゃ?」
「どうするも何も断るしかないだろう〜行けるか分からないし」
「そうか〜美穂君もかわいそうだな〜」
・・・・俺が仕事中メールを出せないから高波に頼んではいるのだが・・・
高波がどんな顔で打っているのか?
何故それで美穂が気付かないのか?凄い謎である。
携帯にメールを打とうと指をボタンに掛けた時空間が捻じ曲がる感覚がした。
「おい!大丈夫か?」
高波さんが険しい顔で近付いてくる。
「何が?」
「何がって・・・お前ひっくり返っているぞ」
「は?え?でも前に高波さんの顔が・・・」
「バカモン!!わしが覗き込んでいるんだ!」
その言葉を受けて俺は立ち上がるつもりが目の前が真っ白になって行った。
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