オリジナル小説へ
第一捜査 新薬
ジィリリリリ
電話のベルの音で目が覚めた。
俺は電話に出ていいのか悩みつつ電話に出た。
「もしもし。」
「あ!勝也?」
この声はおばさん?
「よかったそこに居て、勝也の電話にかけても出ないから…」
「携帯にですか?」
「携帯は知らないから家の電話に」
「あ、留守電のままですよね?」
「ええ。」
「スイマセン。ほぼ毎日その状態です。」
「そうだったの?美穂の容態だけどね。
今夜が危ないらしいから今日はこっちに居るつもりなんだけど見舞いに来るよね?」
「え?はい。」
「病院は、入院したこともあるから分かると思うけど田宮総合病院の408号室なんだけど…」
「場所は分かるんでどうにかなります。
ところでここから出るにはどうしたらいいんですかね?」
「え?ああ、店から家に入る裏口知ってるわよね?
そこから玄関に出ると下駄箱に鍵が置いてあるはずだからそれで鍵をかけてくれるかしら?」
「わかりました。じゃあ後で!」
「お願いね」
ガチャと電話を切り俺はおばさんの言われた通りに家を出た。
よく考えれば俺は血まみれだったことを思い出して自分の家に一旦戻った。
家に帰り着替えを済ませていざ出ようとすると急に扉が開き強面が目の前に表れた。
俺はドアを閉めようと扉のノブに触ろうと必死になるが強面の一人が扉を全開にした。
「勝山だな?」
リーダー格と思われる奴がズイと前に出て俺を一瞥しながら言った。
勝山?ってことはまだ・…
とふと考えると男達は部屋の中へズカズカ入って来た。
「峰志さんを知っているだろう?」
「峰志さんがどうしたんっすか?」
男達が次々とスーツケースを取り出しその一つを開いた。
そこには薬がびっしりと詰まっていた。
「これを売って貰いたい。」
「売る?」
「新薬だ。まあ、最初はばら撒いて欲しい。」
新薬・…ちょっとトラウマが・…と言うのもかなり強い薬にラリッたって言うよりそれを通り過ぎてかなり痛い目を見てそれがようやく抜けたところだったからだ。
「どうかしたか?」
「あ、いや別に…」
走馬灯のようにフラッシュバックをしていたので俺は我に返り返事を返した。
「これを配ればいいんっすね?」
「ああ、勝山、お前は峰志さんの期待に答えるようにしろよ!」
「大丈夫っす。」
「ならいいが・…配り終わればいつもの場所に取りに来ればいい。
手間賃くらいは渡すからな」
「ご苦労さまっす。」
その後男達はさっさと去って行った。
どうすれば・…。そうだ、病院!
俺はとりあえず病院へと向かった。
<<BACK NEXT>>