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第十三捜査 黒ずくめ
病院を後にした後、また廃墟に戻った。 机の下・…ペンダント…何かがあるはずだ。 俺は峰志の部屋へと向かった。 机の下机の下・・…。 薩摩が散々探した後のせいで机の下の物が大量にありなかなか掘り起こすだけで大変だった。 「ふぅ」 やっとのことで掘り起こし、懐中電灯・…。 ……持って来てなかったな。 何気に机の引き出しを開ける。 下を何かするのに置いてるだろうと思ったからだ。 だがめちゃくちゃになっていてあったかどうかも分からない状態。 買ってきた方が早いかな? ふと外を見ると車が止まっている。 ・・…薩摩? 車のドアが開いた。 出てきたのは黒ずくめ・…怪しい。 俺はこの場所から逃げた。 が、黒ずくめが何しに来たのか?何者なのかが気になって部屋が見えて姿を隠せる場所を探して隠れた。 少しすると黒ずくめ達が次々と峰志の部屋に入っていった。 すると部屋にあるものを全て持って行くような作業を開始し始めた。 部屋のものを全て持っていく気か?でも何故? 「何か」を探しているのか? 一体それは何なんだ? 時間がかかりそうだし、出直すか。 俺は廃墟を出ると同時に足元を何かがかすめた。 ・・…銃? 俺は廃墟に転がるように入った。 窓から銃が撃たれたであろう場所を確認する。 向かい側のビルの屋上か。 バタバタと足音が聞こえる。 黒ずくめの奴等だ。 舌打ちをしながら俺は足音から逃げ、窓があるところはしゃがんで走るため走りにくい。 後ろの方で銃声が聞こえた。 打ち合いになったみたいだな。 さてどうしたものか? それにしても・…撃たれるまで気付かないなんて…。 廃墟の元玄関のところまで来ていた。 ・…ここから出れるな。よし。 俺はそこから出て向かい側のビルの屋上へと向かった。 思ったよりスムーズに辿りついた。 が、屋上に着くと銃を俺に構えて来た。 「勝手に勘違いされたら…困るな〜」 「・…かっちゃん?」 銃を構えた奴が俺を見てそう言った。 「・・…まっちゃん?」 するとまっちゃんは楽しげに笑いそして逃げるように走り出した。 「ちょ、まっちゃん!!」 まっちゃんは、屋上から飛び降りるように飛んだ。 俺は慌ててまっちゃんが落ちた方へと駆けていくと… このビルよりは低いビルの屋上に着地していた。 ・・…えぇぇぇ!! まっちゃんは銃を大きく振りながら去って行った。 銃声が聞こえなくなっているのに気付いて俺は慌ててこのビルから去った。 俺はどうにか自分の車に戻ってため息を吐く。 あ〜〜〜どうなってるんだよ〜〜〜。 大体まっちゃんは何してるんだよ!! 病院にいたりこんなところで… あれ? 考え事をしているところに黒ずくめの乗っていた車が目の前を去っていくところだった。 終わったのか? 俺はまた、峰志の部屋に行ってみると物がすっかり消え失せていた。 探しやすくはなったな。 今度こそはと車に積んであった懐中電灯を取り出し机の下を見た。 う〜ん変わった感じはない。 変だな?ここの机じゃないのかな? 机を背もたれにしてボーと考えているとずるっと机が動いた。 思わずこけそうになった。 「やけに軽い机だな〜」と毒づいて振り向くとさっきまでただの絨毯だったところに線が見えた。 机がズレて本来あるべき場所に机が移動したようだ。 俺は絨毯の切れ目から捲って見た。 すると鉄の扉が見える・…が鍵穴らしいものが見つからない。 ・・…う〜ん。 確かこのペンダントが関係していると思ったんだけど…。 ペンダントは小さな雫のような形だった。 ・・…小さいし〜どっかに入ったりして〜 淡い気持ちでどこかに入らないかと探ってみた。 カチ ある小さな突起にはまった。 俺は開けれるかやってみるとガチャリと開いた。 中には何やら手帖が入っていた。 あとはフロッピーディスク。 俺はそれを取り出し、また元通りに机を戻した。 収穫があったな。 ブルブルと携帯が鳴った。 「はい。」 「森山か!悪いがすぐに来てくれないか?」 「どこに?」 「警察署に」 「・・…なんの用で?」 「それは来たら教える。わかったな!!」 「うぃ〜す」 な〜んか嫌な予感がするが…。これのこともあるし… 俺は廃墟を後にし、警察署に向かった。 <<BACK NEXT>>