オリジナル小説へ
第十四捜査 相棒
警察署に向かうとな〜んか疲れるんだよね〜。さて、今日はどうしようかな〜
「森山ここだ!」
「はい?」
せっかく絡もうと思っていたのに高波にそれは脆くも打ち消された。
少しふて腐れながら高波のところにやって来た。
「森山、紹介しよう。お前の下に付く槙田(まきた)だ。」
「宜しくお願いします。」
「……はい?」
律儀に挨拶をする脇で状況がよく飲み込めない俺は思わず間抜けな声を出した。
「なんだその間抜けな声は…」
「いや、何がなにやら?」
「だから、お前の下に付く」
「付くって?」
「お前のいわば弟子だ!」
「弟子!?」
「わからない奴だな!!」
「だってさ〜」
ありえないじゃん。な〜。
「まあ、弟子と言ってもお前のお目付け役だ。」
「・・…左様ですか?」
「お前のことを心配してだろう?多分」
「その多分が引っかかるんですけど…」
「自分は頑張るであります!」
…大丈夫かよこんなんで…。
「じゃあ、頼んだぞ!」
そう言って去っていく・…。
どうしろと?
「とりあえず、名前を…」
「自分は、槙田慎二(まきたしんじ)であります!」
「じ…俺は、森山勝也です。また今は、勝山克好だから」
「また?」
「偽名だよ。お前もちゃんと考えて置けよ」
「偽名なんて使うんですね〜」
「あんまり大きな声で言うなって」
さて・…あ!高波さんにこれ渡すの忘れてたな〜。
「どこに行くでありますか?」
なんとなく警察署を出て来ていた。
「どこね〜そうだ!パソコンできる?」
「はい!出来ますが?」
「じゃあ、パソコン使えるとこ行こうか〜どこにある?」
「パソコンでありますか?では、私の知り合いが電気屋で勤めているのできいてみますね。」
・・…なんか堅苦しいな〜こいつ。
槙田は、携帯を取り出し電話を掛けた。
「あ〜俺俺。」
・…なんか俺俺詐欺ぽいな〜。
「でさ〜悪いんだけど…うん。ああ!そうそう」
・…なんか知り合いにはかなり普通なしゃべりなんだな〜。
「あ〜あんがとう〜じゃあ後で・・」
そう言って槙田は電話を切った。
「大丈夫でしたので、行きましょう!」
「はい。」
・…なんかやりにくいなこいつ・…。
槙田に連れてこられた電気屋は某有名ブランドと肩を並べるくらいに有名な京徒電気だった。
しかも聞いたことはあっても行ったことなかったので物珍しくて辺りをキョロキョロしてしまう。
「おお!!篤!!」
「慎二!たくおめーはよ〜・…うん?そいつは?」
「あ!」
こそこそとする。まあ、「先輩だからそんな口利きは〜」って言ってるのだろう。
「わり〜わり〜こっちだ。…です。」
・…客商売なりたつのかよこいつ・…。
篤が連れて来たのは倉庫のように羅列されたPCの数々。
「おいおい、ちょっと古くないか?」
「仕方ないだろう…これしか駄目だったんだから」
駄目??
「あ、先輩。ディスク貸してください。」
「え?はいはい。」
フロッピーディスクを取り出した。
槙田はディスクを受け取るとさっそうとPCを動かし始めた。
……なんか見ていてもよく分からないものだ。
「と・…、ソフトが無いな〜」
ソフト??
「慎二!このソフトインストールしたいんだけど…」
「あ〜それか〜ちょっと待ってろ〜」
インストール???
う〜ん。なんか俺取り残されてないか??
「先輩!少し時間を頂くであります!」
「・…、あ、はぁ〜」
・・…パソコンくらい使えるようにならないといけないな〜。
「先輩出ましたよ。」
そう言われてパソコンの画面を見ると…
名前の羅列に値段。そして・…
「臓器売買?」
「みたいであります。」
・…う〜ん。これは一体・…。
その名前を下に下げて貰って行く。
美穂・…。
「止めろ!」
「え?はい。」
思わず上げた声に吃驚して槙田は唖然としていた。
・…これはどういうことだ?
「気になるものでもありましたでしょうか?」
「・…これ印刷できないか?」
「はい。出来るであります!ついでに全てするであります。」
「そうか。頼む。」
「はい!篤!プリンタ!」
「うぃ〜す」
峰志が美穂の情報を?いや、何よりなんでこんなものを??
ガッシャンガシャン
印刷が行われたらしい。結構五月蝿いものだな〜。
ヒラリと一枚落ちる。それを拾い上げると沙木沢の文字が・…
沙木沢?どこかで聞いたような〜。
あ!あいつか!!
「これが印刷出来たらこれを高波さんに渡してくれ!」
「え?先輩…」
「・・…これ、どうやってディスク取るんだ?」
フロッピーディスクを出そうとすると
「印刷中なんで…取ると印刷できないであります。…本体で保存してないんで…」
「保存???本体??」
「……印刷終わるまで待ってくださいであります」
・…あんたの言葉変です。
「なんかよく分からないけど…待ちます。」
「お願いしますであります。」
それから印刷を待つことにした。
<<BACK NEXT>>