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第十五捜査 贔屓
印刷数は50を越えそうになった。 「はい、先輩終わりましたであります」 「ああ、有難う」 「これを高波さんに渡しておくであります。」 「宜しく!」 俺はそう言うとフロッピーディスクを貰い田宮総合病院へと急いだ。 「あ!先輩」 が、服を掴まれてブリッジをしそうになった。 「な、なん、だ……」 「高波さんに渡した後、自分はどうすればいいでありますか!」 ・…もっとも・…。 「そ、そう、だな・…。」 そういや、こいつ監視でもあるんだっけ? 「あ〜、わかった…から…手を…どかせ」 「え、はい!失礼しました!!」 手を急にどかしたので少しよろけたがどうにか立て直せた。 「慎二わりぃ〜時間だわ〜」 「あ〜大丈夫、俺これから仕事だから〜」 「そうか、じゃあな〜」 「おう!」 とりあえず、二人で店を出た。 「で、先輩どこに行くでありますか?」 ・・…病院は・・…ヤバイかな〜。 そのとき、横に車が止まった。 誰の車?? 車の窓が開いた。そこから薩摩の顔が出てきた。 「薩摩さん?」 「おぅ、なんだこんなところで、何か買うのか?」 「いや〜たまたまっすよ〜」 「うん、そいつは?」 「あ〜昔の後輩っす。」 「後輩?」 「どうも、ま…前田です。」 「ははは、とにかく乗れや」 そう言われ、薩摩の車に槙田と一緒に乗る。 「勝山、なんか掴んだか?」 「それがですね〜。【何か】が何なのか分からないと掴んだかどうかわからないんで…」 「確かにな。」 薩摩が少し黙る。 「一ついいことを教えよう。」 「へ?なんか分かったんですか?」 「峰志の贔屓のママを知っているか?」 「贔屓のママ?」 まさか? 「キャバレーまゆみのだ。」 「キャバレーまゆみ?」 引きつった感じになってやしないか凄く焦った。 「ああ、知らないか?そのママの動きが変でな。ある病院に通っているようなんだ。」 「病院?病か何か?」 「ここ最近だから、峰志と関係がありそうな気がしてな」 「張り込むと?」 「まあ、そういうことだ。で、お前にその役をと思ってな。」 「へ?」 すると車が止まり車のドアが開き男達が俺を引きずり出した。 「な、これは?」 「な〜に、簡単なことだ。病院なんだ。入院すれば張り込むなんて簡単なことだ」 何を言ってるのか察して俺は逃げようとするが男達に阻まれる。 「やめ、うぁぁぁ」 腕の関節が外れる。痛みで目の前がちらつく。 「きちんと見張れよ」 薩摩は平然と言って去っていく。 腕の感覚が無くなる。 目の前が真っ白になった。 <<BACK NEXT>>