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第三捜査 レストラン
家に帰り着くとスーツケースの山に出迎えられた。
はぁ〜、この一杯の存在をどうにかしないと…
俺は、携帯を取り出し、メモリーの高波に電話を入れた。
「あ〜高波だが〜」
「俺俺!森山!!!」
沈黙の後不思議そうに問いかけてくる。
「・……携帯変えたのか?」
「変えたつもりは無いけど?」
「・・…おかしいの〜メモリーに入れているのが・…あ!お前の本当の携帯か!そうか〜メモリーに入れ忘れておった!」
「おいおい、入れ忘れって今更かよ!」
いつから入れてないんだよ!!この携帯もう2年半も経ってるから変えようかと思ってる位なのに・・・。
「な〜に、手帳には記入はしておるんだがな
で、なんの用だ?」
「実はさ〜。まだ、前の事件が片付いてないらしく。薬が大量に運ばれて〜」
「……運ばれる?どこに?」
「俺んっち」
「おれ?・……あのマンションは引き払ったであろう?」
「そこじゃなくて・…」
「……じゃあ、もしかして本当のお前の家か!」
「そう!」
「か〜またなんで?」
「いや、こっちが聞きたいくらいだよ!」
「で、どうするつもりだ?」
「まあ、とりあえず、大元って奴に辿りついてないって思っていいと思うんだ。」
「と、いうと?」
「任務の続行をお願いしたいだけど〜」
「給料の問題と言え!」
「まあ、そうとも言う。」
「分かったそのことはわしから連絡をしておこう。」
「そうしてくれるとありがたい。」
「とにかくその薬とやらはどこに?」
「俺の部屋」
「で?」
「何個もスーツケースあるから困ってるんだけど…」
「じゃあ、全部押収しよう。」
「全部はいいけど…連絡的に数百万用意してくれる?」
「・・…何に使うんだ?」
「売れた金額として支払わないといけなくなったときに必要なの!」
「まあ、百万ならとりあえず控えがあるから用意できるが…」
「じゃあ、それだけでもとりあえず持って来てくれる?」
「で、どこで落ち合える?」
「お腹も空いたしいつものところでってどう?」
「分かった。こっちの件が片付いたら向かうからまあ、
一時間後に落ち合おう。」
「分かった。じゃあ、」
そうして、携帯を切った。
俺は、自分の部屋に運ばれたスーツケースを車へと運ぶことにした。
車に運ぶまで思った以上にかかり、俺は慌てていつもの場所、ヤクシへと向かった。
ヤクシに到着して入り口の扉を開ける。
「いらっしゃいませ〜」
定員が声をかけてくる。
さっと店内を見回すとどうやらまだ来ていないようだった。
「お一人さまですか?」
「待ち合わせなんで…」と言いかけたとき後ろから誰かが入ってきた。
「お、思ったより遅かったんだな。」
と高波さんがやって着た。
高波さんと一緒に思わずやっぱりいつもの席に座った。
「俺は〜、ステーキセットで〜あ!ご飯は大盛りで!」
「よく食うのぅ〜。わしは日替わりで」
「そういう高波さんだって〜」
「お前よりはマシだ」
「あれは、どこに?」
「うん?ああ、多かったから車にある。」
「車か〜」
「なんか不服そうだね?」
「不服にもなるだろう・…」
「なんで?」
「今日のアシは、いつものじゃないんだからのぉ」
「・……へ?」
「いつもの場所に車があるからのぉ」
そう言って高波さんがキーを渡されたので俺も慌ててキーを取り出す。
・・…あれ?このキーは・…。
「もしかして高級車♪」
「・・………座り心地は最悪だぞ」
「な〜に言ってんの〜ラッキー」
高波さんが何かを言おうとしたときウエーターが日替わり定食とステーキセットを持って来た。
「ご注文はおそろいですか?ごゆっくりどうぞ」
そう言ってウエーターは去って行った。
俺は早速ステーキに手をつける。
「料金はわしが持とう」
そう言って請求書を自分の方に寄せる。
「・・…ど、どうしたんだ!!」
「な、何か変か?」
「へ、変って言うより・…熱とかあるとか?」
「失敬な。たまにはと思ってな」
「・・……な、なんか俺にやましいことがあるとか・・…」
「まあ、無いとは言えないな」
俺は高波さんにやられたら困る全てのことを考えた・…。
「ま、まさか。給料が・…」
「・……察しがいいな」
「な、なに!!どういうことだよ!!」
「給料は今回入らない可能性が出てきた。」
「え〜!!」
「まあ、あくまで最悪の場合だがな」
「な、なんで・…お、俺なんか悪いことした?」
「……悪いこと・…し過ぎだろう」
「そ、それ言ったらおしまい」
「とにかく全力は尽くすが…まずは・…いや、いい」
「な、なんだよ!!」
問い詰めると一つため息をつき
「殺人未遂容疑が掛かっている」
「……?」
「しかも、美穂ちゃんの殺人未遂容疑だ。」
「はぁ?」
「わしは、そう思っているがいっこうに犯人像が浮かばないせいかも知れない。」
「だからって・…」
「目撃者であろう人物がいないからな」
「へ?居たじゃん!!」
「残念ながらその存在を確認できなくなっている」
「なにやってんだ〜」
俺は頭を抱えた。
あんなに居たのに・…結局警察は目撃者の存在を失ったようだ。
「まあ、落ち込むな。お前だけが犯人を見ていることになるわけだから」
「俺がとっ捕まえろと?」
「・…本業じゃないわな」
「うん。」
「じゃあ、わしはまだすることがあるから先に出るぞ」
いつの間にか高波さんの日替わり定食は食べ終わっていた。
「あ、じゃあ。」
俺はとりあえずステーキセットを食べることにした。
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