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第六捜査 涙
気付けば天井が見える。
「お、気付いたか?」
「高波さん?」
「結城がそろそろ目覚めるだろうって言っててな。結城の予想もかなり正確になってきたな〜」
関心する高波を横に俺は少しブルーだった。
「どうした?いつもの元気がないの〜」
「美穂が・…」
「美穂ちゃん?知っているのか?」
「・・…」
「はっきりせんか!」
「美穂が・・…高波さん、行きたいところがあるんだけど・・」
「何を言っている!!今どういう状態か分かって言っているのか!!」
「背中に穴?」
「・…まあ、そんな感じではあるが…じゃがな・…」
「行かなければならないんだ!」
俺は、高波さんを見据えた。
高波さんは俺の目を見て何を思ったのかは分からないが…
ため息を一つ吐き
「お前は言い出すと聞かないからのぉ〜」
「ありがとう!高波さん!」
キィーカチャ、
自分の家なのになんだか人様の家のように感じる。
美穂・・…無事で居てくれ。
「かっちゃん、思ったより早かったね。」
声のした方を向くとそこには、のん気に座って笑っている。
美穂は?
「うん?ああ、彼女はね〜隣の部屋にいるよ。」
まっちゃんはそう言うと押入れを開けた。
そこでは、美穂は少しぐったりしている。
「何をした?」
怒りが込み上げてきて抑えるのがやっとだった。
「かっちゃん…そんなに怖い顔しなくても大丈夫」
「うっ」
まっちゃんの不意の蹴りが腹に食い込み咳き込む。
その衝撃で、傷口が開いたらしく傷が痛み出す。
「あ、つい手ならぬ足が出たね。」
「なんで・…こんなことを…」
「そうだね〜、その前にこれ返しておくね。」
そう言ってまっちゃんの手には、あのいわくつきの手帳が握られていた。
「かっちゃんが警察だってこと分かっていたよ。だからこれ返しておくね。」
そして、俺の近くに落とすが俺は拾うことも出来ずにただまっちゃんを見ていた。
「さて、用事も終わったし…」
まっちゃんの目線の先に美穂が居た。俺は悪い予感で一杯で
美穂の下に這いながら向かった。
美穂は押入れの中で冷たくなっていた。
「美穂〜!!」
俺は溜まらず叫んだ。
そのとき不意に気が遠のく「またね」と言う言葉がかすかに聞こえた。
気付けば、そこは病室だった。
カチャと音が鳴って結城が入ってきた。
「気付いた?」
「結城、美穂は?」
結城は、ただ素直に答えた。
「今日、昼二時から葬儀だ。」
その言葉に愕然とした。
「一時退院許可は出したから、行くといいよ。」
「悪い、少し一人にしてくれ」
「分かった。時間になったら高波さんが迎えに来るから」
そう言って結城は席を外してくれた。
涙が溢れて止まらなかった。
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