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第九捜査 探し物
俺は車を飛ばして、峰志の根城でもある廃墟に向かった。
廃墟は、静まりかえっていた。
俺の居ない間になにかあったと考えるべきか?
俺はそのまま中に入る。やはり人影一つ見つからない。
峰志の部屋の辺りがほんのり明るかった。
誰かいるのか?
俺は、そっと覗くが誰もいない。
「おい、何をしている?」
後ろから声を掛けられて吃驚して振り返る。
スキーヘッドにサングラスと言うどこかで見たような錯覚を抱きそうになるような装いだ。
アクセサリーをジャラジャラつけている。
「あ〜お前か?勝山って言うのは?」
「え?そうですけど…なんで俺の?」
「峰志から聞いてな。まあ、座れ。」
そう言ってスキーヘッドの人が椅子に座らせた。
座ると同時に名刺を取り出した。
「俺は、薩摩悦だ。よろしくな」
「勝山克好です。」
俺の偽名を名乗る。
「分かってる。わかっている。峰志の言う通り楽しい奴だな」
楽しい?どこがだろう??
「話は変わるが・…」
「あの〜その前に峰志さんは?」
「ああ〜お前は知らなかったな。峰志は今は行方不明だ。いや、行方不明で済めばいいが…」
「っと言うと?」
「どうやら、殺団に狙われているようだ」
「殺団?」
「この組織の暗殺を請け負う組織の中腹の者だ。上からの命令のみだがな」
「それが・…峰志さんに何故?」
「……俺が知る限りではどうやら峰志は何かヤバいもんを掴んだんじゃないかと思っている。」
「ヤバいもの?」
「まあ、この俺にも言ってないからな〜お前が知ってるかもって言う俺の考えは甘いよな〜」
薩摩はそう言って背伸びをする。
「そうだ!忘れるところだった。お前にも探して欲しいんだ!」
「何をですか?」
「その何かだ。」
「でも、何かがわからないと探しようが無いんですけど…」
「だよな〜」
なんか浮き沈みの激しい人だな〜。
「うんで!お前に聞きたいんだが!峰志はどこに大事なものを置くと思う?」
「う〜ん。俺なら身の回り?」
その瞬間薩摩は峰志の机をごそごそとしだした。
「それか本の間?」
すると今度は本をパラパラと捲った。
「薩摩さんそこは散々探したんでしょ?」
峰志の部屋とは思えないほど散乱するものが凄かった。
「わかるか?」
そう言って、椅子に座る。
「峰志さんを探した方が手っ取り早いじゃないですか?」
「まあな〜」
「でも、もしそのせいで命を狙われているのであれば薩摩さんも危なくなるんじゃないですか?」
「・…まあな〜。おっと時間だ。じゃあ頼んだぞ!」
「え?あ?ちょ!!」
物凄い勢いで去って行った…。
さてと・…ここは散々探したんだろうな〜。
探すって・……
見間違いでなければあの病院に居るな。
ちょっくら戻るか〜。
俺は、廃墟ビルを後にした。
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