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騒がしい男
「うわ〜〜〜!!!!」
取り逃がしたことに少しため息をついているときに叫び声が聞こえた。
また、幻術で・・・・そう思うと助ける気が失せていた。
「この化けもんが!!!!こうしてこうして〜」
男は、何かをしているのだろう。「えいえい」と何かを投げているようだ。
「あ、やっぱダメ?」
そうぼやく声が聞こえるとその声が段々遠くなることに気付いた。
さっきと違うが・・・この際また付き合うのもいいかと半場諦めで呪文を唱え木々の上を走る。
少し走ると男がちょうど躓きこける所だった。
「いてぇ〜」
顔から思いっきりこけたのだろう男は、額から血が流れている。
襲い掛かっているのは、獣だ!
俺は、男の目の前に降り立ち術を発動した。
大きな火の渦を獣に対して向けると獣はすぐに灰になった。
「うわ〜スゲ〜」
それを見た男は、関心の声を上げる。
「いや〜まいったな〜」
そう言いつつ頭を掻くと手を出して
「いや〜あんがとう!俺、清梁(せいりゃん)って言うんだ。あんたは?」
俺は、清梁と言う男の手をじっと見たまま
「私は、旅の僧だ」
「いや、そりゃ見りゃ分かるよ」
ケラケラと笑いながら出した手の行方に困って空を掻く。俺は、仕方なく名を名乗ることにした。
「私は、靖臥(しょんじん)だ。」
「しょんじん?なんか言いにくいな〜、阿臥(あじん)って呼んでいいか?俺は、梁(りゃん)でいいから」
俺は、そんな梁に一瞥をくれてさっきの滝のあった場所に足を向けた。
「おい、おい、待ってくれよ〜阿臥!!」
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