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錫杖が未だに一人でに動いている。 「梁・・・・あれが見えるか?」 錫杖に向かって指を指す。 「あれ?あれ????あれとはなんです?」 やはり・・・・見えていない。と言う事はあれは偽物。 踵を返してその辺りを探索する。 「阿臥?何を探しておいでですかい?」 「錫杖だ。」 「錫杖?・・・・ああ〜あの杖ですかい?」 「それを探してる。」 「あれなら、さっき向こうに・・・」 梁の方を見て梁の指差す先を見る。 その先へと向かう。そこには滝がある。 いわば水の壁がそこには立ちはだかっていた。 そこを濡れながらも抜けると女が居た。 水浴びをしているようだが・・・・何かが変な気がしてたまらない。 「ああ〜阿臥も男っすか〜!」 ゴンと鈍い音が鳴る頭を叩いた。 「イタ〜酷いべ〜」 涙目でそう言うと頭を擦る。 その状況でなのか女が気付いてこっちの方を向いて慌てるように逃げていく。 「ああ〜、阿臥の目にかかれたのに・・・・」 まだ言うかと殴り飛ばそうとしたとき・・・・あれ? 自分の背後に誰かが居る・・・それが邪魔をして殴り飛ばす事が出来ない。 そんなことより誰が背後に居る方が気になった。 唯一振り返ることの出来る首を後ろへと回した。 そこには・・・・・・ 「阿臥?」 ・・・・・・・・・あれ?さっき見た光景が思い出せない。 「阿臥・・・・大丈夫だべか?」 心配そうに覗き込んでくる。 「大丈夫だ」 そう言って振り切ると・・・・梁が思いの他強い力で引き寄せたためによろけそうになった。 「阿臥!顔色悪いべ!!大丈夫じゃない・・・・けんど・・・ここからどうやって」 血相を変えた顔が途方も無い顔へと変わって行った。 「少し休めば大丈夫だ。」 そう言って手を振り払ったが・・・・その瞬間力がなくなり下へと体が落ちていく。 バッシャと水しぶきを浴びながらも遠くから聞こえる梁の声を聞きながら 目の前が暗く暗くなっていった。 <<BACK NEXT>>