オリジナル小説へ

夢?
目の前が暗くなって少しすると光が差し込んできた。 一瞬目が眩んだが徐々に慣れていった。 すると子供の笑い声が聞こえてきた。 その声が聞こえる方に目を向けるとそこには見たことある光景だった。 あの廃墟と化す前のあの故郷の村だ。 そして子供は自分の幼い頃・・・・ そしてもう一人・・・・・妹の姿があった。 「兄(あん)ちゃん。あたいね〜。絶対に兄ちゃんの嫁さなる〜」 「はは、そんなの無理だべ。無理無理。」 「絶対なるもん!」 そんな他愛も無い会話だった。 この後まさかああなるなんてな〜。そう思いに浸っていた。 すると辺りが一面に赤い炎に包まれる。 振り返ると人々が手にそれなりの荷を持って逃げていた。 そして馬の唸り声。不適な笑い。そして叫び。 この光景は?俺が居ないとき・・・・ま、まさか・・・・・・。 「阿臥!!!」 梁の声にビックリした感じで目を覚ました。 目の前には凄い勢いでゆすっている梁の姿が見えた。 「な、なんだ・・・つっ」 起き上がると同時に頭に何か重りが乗っかったような衝撃で頭を抑えた。 「阿臥・・・・良かった急に暴れだしたんだべ・・・」 「ああ、すまない。」 頭を抑えつつちょうど壁があったのでよかかった。 何を見ていたのか・・・今から思うとよく思い出せない。 「で、ここは?」 「さっきの場所からたいして離れてないべ。重いさね・・・」 「そうか・・・で、錫杖は?」 「此処に・・・」 梁の手にはしっかりと錫杖が握られていた。 「や〜大変だったべ〜。」 「そうか」 さらりと交わしたので梁はちょっと寂しそうに見た。 錫杖を手に取り深く息を吸った。 チリンチリン 錫杖が妙に反応する。 その場所へと進む。 「やけにうるさいべね〜。」 梁の訴えにも耳を貸さずに錫杖の反応する方向へと向かう。 ある地点を越えると急に滝の轟音が耳を貫いた。 「※※※だ※※」 梁が一生懸命しゃべっているが滝の轟音でよく聞こえない。 さらに奥へと向かっていく。 するとさっき見かけた女がいた。 そこに知らない男が女に近付いていた。 その男がもうすぐ女に近づけるって時に下にあった水が大きく歪み そこから大蛇が出てきた。するとあっと言う間に男を飲み込み下の水へと消えていった。 俺は印を結び口々にお経を唱える。 すると女がこっちに気付きかなりの形相をしたかと思うと泣きそうな顔で 踵を返し逃げ出そうとした。 俺はその女を追って腕をつかんだ。 女の顔は・・・・見覚えがあった。 妹の楊紀(ようき)に見えた。 それに驚いたことにより手から滑り出て行った。 楊紀が何故? <<BACK NEXT>>